つまんねー人間の生態

自他共に認める無趣味のつまらない人間。無職で引きこもりニート。元ブラック企業戦士。備忘録、兼クソのような手記。

「100日後に死ぬワニ」のそこはかとない胡散臭さ

何かと話題の100日後に死ぬワニ(以下100ワニ)

nlab.itmedia.co.jp

 

タイトル通り、1日目から四コマ漫画が始まり

普通の日常を送るワニが死までの1日1日のカウントダウンを描く

きくちゆうき氏のTwitter上で1日1日更新されていくライブ感と相まってバズったコンテンツなのだが

 

100日を迎えワニが死ぬと同時に

待ってました、と言わんばかりの

の発表

 

ワニが死を迎えるまでネット上では

 

「いったいワニはどのような死を迎えるのか?」

「ワニが死を迎えることの意味とは?」

「作品が持つ意味は?作者の思惑は?」

 

など

 

文学的で高尚な疑問が持たれていたのだが

 

その疑問の答えを後ろから不意打ちで殴りつけるかのようなその後の展開がまずかった

 

「死」というテーマを取り扱い

読者に考えさせるような作品

 

意図的なのか、意図的でないのかはさておき

自ら100ワニを高尚な位置に掲げておきながら、

その価値を自ら一気に金の匂いのする俗的なところにまで下げた

作者と作品を売り出したいメディアクリエイターの根本的なミスである。

自分で上げたハードルの下をくぐっている。

 

金儲けが悪であるとは言わないが

作品をモノとして売ってしまった作者と周りの人間が愚かだ。

作品を作品として取り扱い、グッズはあくまで付属品、タイアップや映像化は後からついてきたオマケならばよかった。

 

この件はステマでも企業案件でもなく自分で考えた作品に声をかけてもらった、というが

あまりにもメディア慣れしていて違和感がある。

 

作品発表から

→クリエイター仲間に取り上げさせる

→著名人に話題にさせる

Twitter上でバズらせエンディング

→商品化・映像化

 

の流れがいかにも既定路線すぎて素人でも勘繰るというものだ。

 

何かを話題化させ、メディア化、金儲けとしての流れは素晴らしいし

モノを売り出す上でのSNSの活用法としては100点満点なのだろう。

 

だがここまで綺麗にレールに乗った売り出し方をされると

 

「なんだ、結局メディア界が売り出したい作品を押し出しただけか」

ステマじゃねーか」

 

と今まで熱してきたものを

自ら水をぶっかけ冷ましてしまった。

 

あまりにも宣伝慣れ・メディア慣れしている作者の

(どーせセンシティブなテーマで意味深っぽいエンディング書きゃ話題になんだろ)

という意図が透けて見える。

 

俗っぽいことを言えば

めちゃ反応のいい風俗嬢にあたって

(今日の子良かったなあ)と思ってたら

たまたまSNSでその子のアカウント見つけて

「今日のおっさんマジキモww感じてフリしたらマジになってたww」

と書かれてたくらい萎える。

 

なんども言うが金儲けは悪ではない。

 

だが、金を払うことには各個人それぞれ意味がある。

 

レストランで高いディナーを食べることに金を払う人もいれば

安い家に住み、高い車に乗る人もいる。

 

100ワニに純粋に感動し金を払う人もいるだろう。

 

しかし、私のような世の中の汚い部分に触れてきた大人たちにとっては

あまりにも

「売ることを前提にした作品」

すぎて受け入れがたいのだ。

 

純な気持ちにさせてくれた作品には純な気持ちで金を払いたい

という思いがあるのに最初から金前提の作品かよ・・となると萎える。

 

清楚を売りにしてるアイドルが男と遊んでたらファンがキレるのと大差ない。

僕たちは清楚で男友達もいないようなアイドルに金を払ってたのに、そんなことされたら清楚に対して払った金はどうなるんだ、だったら最初からビッチ売りにしとけよ

ということになる。

 

カンニング竹山やメディア関係者、クリエイター仲間は

バズった作品がメディア化商品化する流れは当然。無料で楽しめる作品を提供してくれた作者サイドに感謝すべき。などと言っているが

 

はっきり言って的外れすぎて場外

 

風俗嬢で言うところの

「感じてるフリ」が欲しいのだ。

 

スレてない、新鮮な反応

作者の

「話題にしてもらえてうれしい!!」

「商品化決まりました!!映画化決まりました!!タイアップ決まりました!!」

という気持ちがみたい

 

嘘でもいい

 

庶民や凡人は、そこに感情移入がしたいのだ。

 

売れることは既定路線であり

純粋に作品を見てほしいから~、というあまりにも慣れた反応

周りには有名人・著名人・インフルエンサーばかりでTwitterでバズるのなんか簡単でーす、と言わんばかりの人脈

Twitterの活動が主で、大した代表作もなく、はっきり言って絵も万人受けするモノではない

それなのに、いきなり爆発的に認知度が上がり

突然、商品化!映像化!と言われて

「えー!すごい!よかったですね!」と純粋に持ち上げるのは無理があるだろう。

 

余談だが、そういった点では

「こぐまのケーキ屋さん」で知名度の上がったカメントツ氏は

とても上手くメディア化したと思う。

大死刑」が一時期話題となったが、それ以降は伸び悩み

漫画ライターや様々な活動をし、こぐまのケーキ屋さんが大きく売れた

www.shogakukan.co.jp

カメントツ氏の作品も「ステマ」と言われ少し炎上していたが

100ワニほどの炎上ではなかった。

それは彼が売れるためにした数々の努力がネット上に残っており

それが認められたのではないかと思う。

彼もそれほど絵がうまいわけではなく、彼自身もそれは認めている。

だが、内容や話題性で上手くカバーし、売れるために積極的に活動していた。

 

何度でも言うが

「金儲けは悪ではない」

悪ではないが、善でもない。

 

善に見せようとする努力と見せ方が重要なのだ。

 

100ワニを純粋な気持ちで見れる年代と

100ワニを穿った気持ちで見る大人たち

 

少なくとも私はこの「100日後に死ぬワニ」を

純粋な気持ちで見れる年齢ではなくなった

 

ただそれだけのこと。

 

ていうか金儲けしたいなら、もっと上手くやれ。

金が絡んだらそりゃみんな厳しくなるわ。

こんなモンで金とるつもりかよ、って。